肉用牛研究会は、和牛種雄牛の産肉能力検定事業をわが国において確立するための和牛産肉能力検定研究会を中心に当時の三つの研究会が合同団結し、昭和39年に和牛肥育研究会として設立されました。その後、昭和41年に肉牛肥育研究会、さらに42年には、現在の名称である肉用牛研究会へと発展し、わが国における肉用牛の改良、肥育、飼養などに関する幅広い研究会活動を行っております。昭和43年には和牛の産肉能力検定事業が開始されており、肉用牛研究会の歩みは、わが国における和牛の改良の歴史を見つめてきたといえるかもしれません。
和牛の肉牛品種としての優れた特徴に対する社会的な評価は従来にもまして高まってきており、また、和牛はもとより、広く乳肉兼用種も含めた肉用牛に関する研究も、育種、飼養、繁殖、畜産資源、畜産経営など幅広い分野にまたがっております。また、クローン技術、遺伝子診断などの新しい技術も開発されてきており、複数の研究領域にまたがる研究の重要性も指摘されはじめています。わが国の肉用牛に関する研究をさらに推進していくためには、これらの多くの研究分野の方々、および産官学間での連携・協力が必要となります。
当研究会は、わが国の肉用牛産業に根ざした研究・教育の発展のために、大きな役割を果たせるようになりたいと考えております。また、本会は、「そもそも会員の皆様のもの」でございますので、ぜひ、この研究会をそれぞれ有効にご活用いただけましたら幸いに存じます。ぜひ、多くの肉用牛関係者の方々のご入会をお待ちしております。
令和6・7年度肉用牛研究会会長
熊谷 元
肉用牛研究会は、わが国における和牛の遺伝的産肉能力検定技術および肥育技術の進歩・発展に資することを目的として、当時の和牛産肉能力検定研究会、ホルモン肥育研究会、なたね油粕飼料化研究会が合併し、当初は和牛肥育研究会として昭和39年(1964年)10月26日に設立されました。設立総会は全国和牛登録協会で行われ、初代会長には上坂章次氏が就任しました。
その後、肉牛全般にまつわる研究を推進するため、昭和41年(1966年)に肉牛肥育研究会と改められ、さらに肉牛の肥育だけにとどまることなく、乳肉兼用種をも含めた肉用牛にまつわる様々な研究活動を一層推進する研究会を目指して、昭和42年(1967年)10月22日に肉用牛研究会と名称が改められて現在に至っています。
会員の所属は、農家、企業、国公立の試験研究機関、大学など、産・官・学の多分野にわたっています。また、当研究会は日本学術会議協力学術研究団体になっています。
肉用牛に関する学術研究の発表、情報交換の場としてその進歩普及を図り、もってわが国の肉牛産業の発展に寄与することを目的として、以下の活動を行っています。
研究発表会(大会、年に1回)を開催しています。大会は、1) 総会、2) 一般研究発表、特別講演、3) シンポジウムあるいは現地検討会の開催から成っています。肉用牛研究会会員だけでなく、肉用牛の生産農家、流通関係者、最終生産物である牛肉の消費者にも広く門戸を開き、毎年持ち周りで全国で開催される大会は、いずれも御当地の肉用牛関係者の多数の参加を得ています。
平成11年度より、研究会における一般発表者の中から、発表内容等が優秀と認められる発表者に「肉用牛研究会奨励賞」を授与しています。また、平成26年度より、肉用牛に関する研究や技術の向上に顕著な業績のあった正会員に対して「肉用牛研究会賞」を,肉用牛の発展に功績のあった正会員に対して「肉用牛研究会功労賞」を授与しています。
機関誌「肉用牛研究会報(Bulletin of Beef Cattle Science): ISSN 0386-8419」の発行(年に2回)を行っています。研究会報には、原著論文、論説、新技術、テクニカルノート、事例報告が掲載され、会員は原著論文、テクニカルノート、事例報告を投稿することができます。また、研究会報には研究会大会における一般講演の要旨(各講演ごとに数ページ、図表を含む)が掲載され、また、研究会ホームページに創刊号からの目次が掲載されています。
2年ごとに選出される役員(会長、副会長2名および評議員約25名)が中心となって、本会の事業計画の立案と実施にあたっています。会員は総会に出席して意見を述べることができます。
会員には、正会員、学生会員、賛助会員および名誉会員の区別があります。正会員は、本会の目的に賛同し、会費として年額4,000円を納めます。学生会員は年額1,500円を納めます。賛助会員は、本会の行う各種事業を賛助する者で、1口(年額10,000円)以上の賛助会費を納めます。名誉会員は、本会ならびに肉用牛研究上の功績が顕著な会員で、評議員会および総会の議を経て推戴されます。
すべての会員は、機関誌の無料配付を受けるほか、本会の発行する特別号などの優先的配付を受けることができます。また、すべての会員(賛助会員は除く)は機関誌への論文投稿、大会等における発表の権利が保証されます。
なお、本研究会は、消費税制上での免税事業者となります。
入会は随時受付けています。本会の活動に賛同される方であればどなたでも入会できます。入会手続きは会費の納入が確認された時点で完了となります。
<入会(変更・退会)の届け出>
ホームページ上の入会申し込みフォームに必要事項を記入の上、送信ボタンで送付してください 。
肉用牛研究会ホームページ・入会申し込みフォーム:
アドレス: https://sbcs1964.net/register.html
なお、画面をプリントアウトし、ファックス (075-753-6459) あるいはメール(info__AT__sbcs1964.net (__AT__を@))にてお申込いただくこともできます。
肉用牛研究会は平成26年(2014年)10月に創立50周年を迎えました。これも、ひとえに、わが国の牛肉生産にその黎明期から携わり、ここまで育ててこられました多くの諸先輩方のお力添えの賜物と、心より感謝を申し上げます。肉用牛研究会の過去と未来をつなぐ世代を超えた絆の一助となればと思い、50周年記念大会にあわせて発行されました「肉用牛研究会創立50周年記念大会特別号」を公開いたします。過去の智慧に学び、当研究会が今後も、未来にはばたいてゆく力をいただくきっかけになればと願っています。
Topへ↑肉用牛研究会創立50周年記念大会を契機に、肉用牛の生産に関する50年の知見をまとめた、肉用牛の科学(肉用牛研究会刊行、養賢堂、2015)が養賢堂より刊行されました。
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